パーソナリティ障害を乗り越える【タイプを知って問題解決】

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人間関係トラブルを招く病

先生

パーソナリティ障害は、精神疾患の体系の中では比較的新しい病気の概念です。そのため、自分の問題がこのパーソナリティ障害という病気に基づいているとは全く気づいていない患者も相当数いると思われます。パーソナリティ障害の中で社会的認知度の高いものに、境界性パーソナリティ障害があります。境界性とは、統合失調症と神経症の境界であるという意味です。思春期から30代くらいまでの女性の患者の多い病気です。この病気の発病のきっかけとしては、ストレスが引き金になることが多いのですが、原因は幼少期にまでさかのぼるとされています。幼い頃、保護者、特に母親からの愛情を十分に受け取れなかったと感じ、その記憶が心に強く残っていると、ささいなことでも人から承認されることを無意識に求めるようになります。相手にしてみれば別に患者のことを非難しているつもりはない場合でも、批判を受けると患者は自分の存在価値を否定されたと信じこむ傾向があります。こういった傾向に心当たりがあり、人間関係で悩むことが多いと感じる人は、専門家の意見を一度聞いてみることが解決につながるかもしれません。一般的にパーソナリティ障害は、精神科や心療内科などの医療機関で診てもらうことができます。心の病の専門科でもあるので、患者それぞれに合った治療方法を提供してくれるでしょう。

パーソナリティ障害は、以前は時間とともに快方に向かうような病気ではないと考えられていました。しかし現在では、年をとるにつれて症状が落ち着いていく患者も数多くいることがわかっています。そこには生理的な要因に加え、社会的要因も影響していると考えられます。生理的要因とは、子どもから成人になる、あるいは年をとって老化するということによる肉体上の変化です。成人になったことで神経伝達物質の分泌が安定化するというような場合を指します。また、若い女性の場合は、境界性パーソナリティ障害を発症しやすい年齢が、性的成熟が不完全でホルモンバランスの不安定な時期と一致しています。このような生理的要因の他に、日本人に多く見られる心的特性として、社会の中で自分がどう見られているかを重視するという傾向が挙げられます。たとえば「もう若い娘じゃないから、こんなことはしていられない」というような発想です。したがって、パーソナリティ障害であると診断されても、長い目で見れば改善する可能性は十分にあります。医師や家族が連携して、根気よく治療することが最重要であるといえます。