パーソナリティ障害を乗り越える【タイプを知って問題解決】

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対人関係が困難になる病気

先生

パーソナリティ障害は、人格障害とも呼ばれます。人口の15パーセント程度がこの病気を持っているという研究もあります。しかし個人的な性格上の問題と見なされることも多く、治療を受けるには至っていない人がほとんどだと見られています。この病気から他の病気を併発することも多く、そのときはじめてパーソナリティ障害という診断がつくこともあります。このパーソナリティ障害の症状には、次のようなものがあります。他人に対して不信感が強く、事実とは異なる形で人や物事を決めつける場合、妄想性パーソナリティ障害に分類されます。他人に対する関心がほとんどなく感情に乏しく見える場合は、統合失調質パーソナリティ障害と判断されます。感情を制御するのが著しく苦手で、激高すれば自傷行為などに走りやすいのは境界性パーソナリティ障害で、若い女性に最も多く見られます。自己愛が異常に強く人に対して傲慢な態度をとるのは自己愛性パーソナリティ障害です。人の関心を引くために時には虚言や仮病などの手段も辞さないのは、演技性パーソナリティ障害と呼ばれます。他にも他人に対して度の過ぎた依存をしてしまう依存性パーソナリティ障害や、自分独自のこだわりに執着する強迫性パーソナリティ障害など、多種多様な症状を呈するのがこの病気の特徴といえます。職場などで問題が生じなければ表面に現れてこないため、今後知名度が上がるとともに患者数も増加すると見られます。

パーソナリティ障害の患者は、人から見捨てられるのではないかという不安を常に抱えています。患者の見せる問題行動のほぼすべてがそこに起因しています。しかし、周りの人からは単に非常識でわがままな人と思われてしまうため、なかなか人に理解してもらうことはできないのが現状です。運良く理解者が近くに存在したとしても、つきあううちに限度を知らないかのように愛情を求められたり、暴言を吐かれたり、果てしなく依存されたりしていれば、たいていの人は荷が重くなり音を上げてしまいます。友人や同僚との関係においてもそうなのですから、家族の場合はなおさらです。このように家庭の中だけで問題を解決するのは非常に困難なので、精神科や臨床心理士などの専門家に相談して治療や指導を受けることが重要です。パーソナリティ障害は薬物療法や行動療法で治療することができます。しかしここでも、他人から際限なく愛情や同情を得ようとする傾向などが強く出てしまうと、いくら専門家である医師や医療スタッフとはいっても、良好な関係を築くことが難しくなることがあります。患者によっては医師との相性が大きな影響力を持つ場合もあります。あまりうまくいかないようだと感じるときは、セカンドオピニオンを求めて別の医師にあたってみるのもよいでしょう。周囲の人は患者を責めず、といって過度に要求をのんだりせず、時には適度な心理的距離を置いて接することが必要です。